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交通事故被害相談<span> by 弁護士法人心</span>

自動車保険以外の私保険からの保険金の給付

  • 文責:所長 弁護士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2021年5月14日

1 損益相殺

交通事故の被害者が、事故を原因として一定の利益を受けた時は、その利益の額が損害賠償額から差し引かれることがあります。

利益を負担した人がその限度で被害者の損害賠償請求権を取得(代位)する場合や、被害者が二重の利得を得ることが公平の精神に反する(狭義の損益相殺)場合には、得た利益を控除することになるのです。

それでは、交通事故にあった方が、自動車保険以外から保険金を受け取った場合には、どのようになるのでしょうか。

2 生命保険

交通事故で亡くなった方が死亡保険金を受け取った場合に損益相殺をして、損害から生命保険からの保険金給付を控除することはできません。

生命保険の保険金は、被害者が負担した保険料の対価ですので、原則として、損益相殺は認められていません。

保険金の受取人が生命保険金を受け取っても、原則として賠償金から差し引かれることはありません。

3 生命保険の傷害・入院給付金、損害保険の傷害保険・医療保険

交通事故でケガをした場合に、生命保険の傷害・入院給付金、損害保険の傷害保険・医療保険の保険金を受け取った場合には、原則として損益相殺は否定されています。

一般的な傷害保険やそれに類する保険からの給付された保険金は、被害者側で負担する保険料の対価であり、また、損害賠償における損害を念頭においた損害のてん補を考えているわけではないため、損益相殺による控除は認められないとするべきです。

4 所得補償保険

所得補償保険は休業損害により受けた不利益をてん補するための保険ですが、所得補償保険を就業不能という保険事故により被った実際の損害を保険証券記載の金額を限度として填補することを目的として損害保険の一種というべきであり、被保険者が第三者の不法行為により就業不能となった場合において、所得補償保険金を支払った保険者は、商法622条1項の規定により、その支払った保険金の限度において被保険者が第三者に対して有する休業損害の賠償請求権を取得する結果、被保険者は支払いを受けた限度で窓外賠償請求権を喪失することを理由として、損害額から控除すべきものと考えた判例(最判平元1.19)があります。

5 分からないことがあったときには弁護士へ

保険の内容は複雑であり、まだ判例などで確立していない部分もあります。

受け取ると損益相殺をされてしまうものを2重に受け取った場合には、後から保険会社に返金を求められることがあります。

京都で交通事故にあった方で、複数の保険金の支払いがあるような場合には、保険会社の約款等の資料をもって弁護士法人心 京都法律事務所にお越しください。

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