お役立ち情報
過払い金が戻ってこないケースはあるか
1 過払い金がそもそも発生していないケース
過払い金が戻ってこないケースとは少し異なりますが、過払い金についてお問い合わせいただいた場合でもそもそも過払い金が発生していないということが少なからずありますので少し触れておきます。
過払い金はグレーゾーン金利が存在していた平成19年頃までに借入れがある場合に発生している可能性のあるものです。
したがって、平成19年以前に借入れが開始していなければそもそも過払い金は発生していません。
また、時期の要件を満たしていても、当時から適法な金利で貸し出しを行っていた業者もありますので、この場合も過払い金は存在しないということになります。
2 最終取引から10年が経過しているケース
先述のとおり過払い金の発生する取引はかなり古いものですので、当時の取引はすでに完済していることも多いと思います。
最終取引から10年が経過してしまうと、過払い金が発生していたとしても時効が成立してしまうため、過払い金は戻ってこないことになってしまいます。
なお、民法が改正された関係で、改正後に取引が終了している場合の時効は、取引終了から10年、または権利行使できることを知った時から5年となります。
もっとも、具体的な事例によって異なる場合もあるので、詳しくは弁護士にご確認ください。
3 途中で完済しているケース
最終取引から10年は経っていないものの、完済してまた借りて…という取引過程を経ている場合、一度完済した時点でそれまでの取引は終了している=一度完済した時点から10年が経過してしまっていると時効により過払い金が戻ってこないということがあり得ます。
完済してから間もなくまた借入れを行っている場合と比べ、完済から再度の借入れまでの期間が年単位に及んでいる場合や、完済した後契約自体を一度解約している場合などはこの考え方がとられてしまう可能性が高まります。
4 請求先の会社がすでに倒産しているケース
本来過払い金が発生していたはずであっても、すでに当時の借入先の会社が倒産していては請求のしようがありません。
また、倒産はしていないものの極めて経営状態が悪化している会社についても、事実上過払い金の返還を受けることは難しいことがあります。
契約書をなくした場合の過払い金返還請求への影響 自動車ローンは過払い金に関係するか