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「逮捕・勾留」に関するお役立ち情報

逮捕と勾留の違い

  • 文責:所長 弁護士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2023年7月19日

1 逮捕について

逮捕は、被疑者に対して最初に行われる強制的な身柄拘束処分であり、刑事訴訟法に決められた短時間の留置という効果を伴うものです。

逮捕は、被疑者が罪を犯したことを疑う相当の理由があるとき、警察官が裁判官のあらかじめ発した逮捕状により通常逮捕することが多いです。

ただ、現に罪を行い、又は現に罪を行い終わった者を現行犯人といい、現行犯人に対しては、誰であっても逮捕状なしで逮捕することができます。

また、①一定の重罪事件で、②高度の嫌疑があり、③緊急性がある場合には、警察官や検察官らがそれらの理由を告げて、逮捕状なしで被疑者を緊急逮捕することができます。

警察官は、逮捕後、被疑者に弁解の機会を与え、留置の必要がなければ直ちに被疑者を釈放し、留置の必要があれば、被疑者が身柄を拘束された時から48時間以内に検察官に身柄を送らなければなりません。

検察官は、警察官から被疑者の身柄を受け取った後、被疑者に弁解の機会を与え、留置の必要がなければ直ちに被疑者を釈放し、留置の必要があれば、被疑者の身柄を受け取った時から24時間以内、かつ、被疑者が身柄を拘束された時から72時間以内に、裁判官に対し被疑者の勾留を請求しなければなりません。

2 勾留について

被疑者の勾留は、逮捕に引き続いて行われる身柄拘束処分です。

裁判官は、検察官から勾留の請求を受けた被疑者について、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があり、かつ、①住居不定、②証拠隠滅のおそれ又は③逃亡のおそれがあると判断した場合、被疑者の勾留を決定することができます。

被疑者の勾留期間は、その請求をした日から10日間です。

ただし、やむを得ない事由があると認めるときは、検察官の請求により、裁判官は勾留期間を最長で10日間延長することができます。

検察官は、勾留期間内に捜査等を行い、被疑者の処分を決めます。

検察官が、被疑者を不起訴することを相当と判断した場合、その時点で被疑者の身柄が解放されることになります。

一方、検察官が、被疑者を勾留期間中に起訴した場合、被疑者の勾留はそのまま被告人の勾留に移行し、身柄拘束が継続します。

被告人の勾留の期間は、起訴から2か月間であり、継続する必要がある場合には、1か月ごとに勾留が更新されます。

3 逮捕と勾留の違い

⑴ 先後関係

被疑者の勾留は、被疑者の逮捕が前提とされており、逮捕が先行しない被疑者に対して、直ちに勾留請求をすることはできません。

⑵ 期間の長短

逮捕の期間は、逮捕から勾留請求までの間の、最長72時間です。

一方、勾留の期間は、勾留請求から10日間に、勾留が延長されればさらに最長10日間が加わるので、最長で20日間になります。

さらに、被疑者が起訴をされれば、被告人として2か月間勾留され、さらに1か月ごとに勾留が更新されて継続することになります。

⑶ 弁護士以外の者との面会

被疑者が逮捕されている期間、家族、友人等の弁護士以外の者は、被疑者と面会することができず、伝言や差し入れは、弁護士を通じて行うことになります。

一方、被疑者が勾留されている期間では、弁護士以外の者は、接見が禁止されていなければ、被疑者と面会したり、被疑者に差し入れをしたりすることができます。

⑷ 身柄を解放するための手段

被疑者が逮捕された場合、法律上、被疑者の身柄を解放するための手段は定められていません。

一方、被疑者が勾留された場合は、法律上、身柄を解放するための手段として、勾留の取消や執行の停止、準抗告の申立てなどを行うことができます。

被疑者が起訴されれば、加えて保釈も請求することができます。

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