離婚の際の年金分割
1 年金分割のやり方
婚姻中に厚生年金または公務員の共済年金(現在は厚生年金に一元化)に加入しており、厚生年金保険の記録がある場合、離婚時の財産分与として厚生年金を分け合うことができます(年金分割)。
年金分割は、離婚をした日の翌日から原則として2年以内に、①合意分割、②調停・審判、③3号分割のいずれかの方法で行います。
以下、それぞれについて説明します。
2 合意分割
(元)夫婦の合意により、年金分割の按分割合を決める方法です。
まず、年金事務所で年金分割のための情報通知書を取得します。
年金分割のための情報通知書が取得できたら、記載されている情報をもとに、年金分割の按分割合について話し合いを行います。
按分割合の上限は50%です。
按分割合の合意ができたら、合意の内容を、公正証書の謄本または抄録謄本、公証人の認証を受けた私署証書、年金分割することおよび按分割合について合意している旨を記入し署名した書類のいずれかに記載し、年金事務所へ提出します。
年金分割することおよび按分割合について合意している旨を記入し署名した書類を用いる場合、(元)夫婦(それぞれ代理人可)がそろって、年金事務所に直接、合意書を持参する必要があります。
3 調停・審判
話し合いをしても年金分割の合意ができない場合、家庭裁判所で調停をすることができます。
調停では、調停委員を介して按分割合について話し合います。
調停でも話し合いがまとまらない場合は、審判手続きに移行します。
審判になると、家庭裁判所が事実関係を調査し、家庭裁判所の判断で按分割合が決定され、多くの場合按分割合は50%とされています。
その後、調停調書または審判書を年金事務所に提出し、年金分割の手続きを行います。
参考リンク:裁判所・年金分割の割合を定める審判又は調停