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高次脳機能障害が後遺障害として認定される判断基準はありますか?

  • 文責:所長 弁護士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2023年10月30日

1 高次脳機能障害の認定を受けるのは難しい

高次脳機能障害のある、なしの判断は簡単ではありません。

なぜなら、交通事故に遭い、骨が折れた、手足を失ってしまった等であれば、客観的に明らかなため、判断は容易ですが、それとは異なり、高次脳機能障害は内面の性格や人格、知性等に変化を来たす症状の為、パッと見ただけでは判断が困難です。

日常的に被害者と接し、よくよく被害者の様子を観察しなければ、高次脳機能障害が残ったことはわからないケースもあります。

2 高次脳機能障害と言えるための目安

高次脳機能障害の判断は容易ではありませんが、概ね、以下の3要件により判断されています。

⑴ 画像所見があること

受傷直後に、CTやMRIなどの画像で脳出血(硬膜下血腫、クモ膜下出血などの存在)や脳挫傷痕が確認されていれば、交通事故による脳損傷が認められ易くなります。

もっとも、上記の通常のCTやMRI撮影では、脳出血や脳挫傷痕は確認されやすいのですが、いわゆるびまん性軸索損傷(DAI)は確認することが困難なことが多いです。

なぜなら、DAIは脳内に張り巡らされた細かな神経コードの断裂ですが、神経コードそのものは現在の画像技術では撮影が困難だからです。

そこで、事故からある程度期間が経過した時点で、MRIやCTにより脳室の拡大や脳全体の萎縮が確認されれば、神経コードの断裂が生じたと合理的に推認でき、DAIを肯定できるものとされています。

⑵ 一定期間の意識障害が継続したこと

この目安は、高次脳機能障害の有無の判断にとって極めて重要です。

受傷直後において、半昏睡~昏睡で開眼・応答しない状態が6時間以上継続する場合や、健忘症あるいは軽度意識障害が少なくとも一週間以上継続すると高次脳機能障害発生の可能性が出てくると言われています。

上記のような意識障害が残った場合は、家族などの身近な方は、被害者の様子を注意深く見守る必要があり、怒りっぽくなった、忘れっぽくなったなどの高次脳機能障害を疑わせるような症状があった場合には、すべて日記などに記録し、医師に伝えたほうがよいです。

⑶ 一定の異常な傾向が生じていること

交通事故を境にして、被害者の感情の起伏が激しくなった、話が回りくどくなった、服装、見た目に無関心か不適切な選択をするようになった、性的な異常行動や羞恥心の欠如がみられるようになった、複数の作業を並行して行うことができなくなった、怒りやすくなった、周囲の人間とよく衝突するようになった等の精神面での異常がみられるようになることです。

また、このような精神面での異常に加え、身体機能の異常にも着目する必要があるとされています。

例えば、起立障害、歩行障害、痙性片麻痺などが併発している、尿失禁がある等の場合です。

3 弁護士にご相談ください

事故に遭い、高次脳機能障害の心配がある場合、自賠責保険において高次脳機能障害である認定を受け、適切な後遺障害等級を獲得しなければなりません。

そして、高次脳機能障害は判断が難しい症状ですので、ご自身で適切な資料をそろえ、後遺障害の申請をすることは、困難であり負担も大きいです。

そこで、プロである弁護士への依頼をお勧めします。

京都や京都近辺で交通事故に遭い、高次脳機能障害が残る心配がある被害者の方やそのご家族の方は、一度、弁護士法人心 京都法律事務所の弁護士へご相談ください。

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