労災の手続とは
1 労災の保険給付
労災によってケガや病気になった場合などには、労災保険給付を受けられる可能性があります。
労災は、労災申請のための請求書等を労働基準監督署に提出することにより労災の審査がなされます。
労災の請求書などは労働基準監督署に備え付けたりされている書類を提出することで、労働基準監督署が必要な調査を行い、認められた場合には労災の保険給付が受けられます。
それでは、一般的な労災の保険給付の手続について説明いたします。
2 療養(補償)給付
労災は、労働者が仕事や通勤の際によって病気やけがになった場合に請求できるものですので、通常、まずは会社に労災が発生したことを連絡することになります。
労災にあった方が指定医療機関で受診する場合には、会社の証明を受けた療養補償給付たる療養の給付請求書(5号)又は療養給付たる療養の給付請求書(16号の3)を医療機関に提出すると、医療機関が所轄の労働基準監督署に提出され、療養の給付請求書を受理した労働基準監督署が調査を行い、通常はおおむね1か月程度で指定医療機関に治療費等が支払われるとされています。
3 休業(補償)給付
労災の療養のために労働ができず、仕事を休んで賃金を受け取っていない場合には、休業補償給付支給請求書(8号)又は休業給付支給請求書(16号の6)を労働基準監督署に提出すると、労働基準監督署が調査を行い、支給決定がされれば休業(補償)給付が労災保険から給付されます。
請求した本人に支給(不支給)の決定の通知が送られるとともに、支給される場合には指定された振込口座に保険給付が支払われます。
4 障害(補償)給付
労災での負傷や疾病が治ゆ(症状固定)したときに、身体に一定の障害がのこり、障害が法令に定められた障害等級に該当するときは、障害補償給付支給請求書(10号)又は障害給付支給請求書(16号の7)を労働基準監督署に提出すると、その障害の程度に応じて障害等級の認定がされ、保険給付決定の通知が送られて、支給される場合には指定された振込口座に保険給付が年金または一時金が支給されます。
障害(補償)給付は、請求書が受理されてから給付決定までおおむね3か月程度と言われています。
5 遺族(補償)給付
労災が原因で労働者が死亡した場合、遺族(補償)等給付や葬祭料等(葬祭給付)を受け取ることができる可能性があります。
状況により、受給資格者がその資格に応じて、遺族補償年金支給請求書(12号)、遺族年金支給請求書(16号の8)、遺族補償一時金支給請求書(15号)、遺族一時金支給請求書(16号の9)などを死亡診断書等の添付書類とともに労働基準監督署に提出すると、労働基準監督署が調査を行い、支給決定がされれば遺族(補償)等給付が、労災保険から給付され、指定されて振込口座に保険給付が支払われます。
請求から給付決定までの期間は、おおむね4か月程度と言われています。