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遺留分の請求について弁護士に相談したほうがよい理由

  • 文責:所長 弁護士 伊藤美穂
  • 最終更新日:2023年1月16日

1 遺留分の請求には期間の制限などの落とし穴がある

遺留分の請求をする場合には、自らの遺留分が侵害されていることが分かったときから1年以内に請求をする必要があります。

また、相続が開始してから10年以内に請求をする必要があります。

これらのことを知らずに手続きを進めてしまうと、相手方からこれらの点についての反論を受けて、請求する権利を喪うことにもなりかねません

さらに、上記のような請求をしたことは、単に請求をしたという事実だけでは不十分で、「それらの請求をしたことを証拠として残す」必要があるといえます。

これは、遺留分の請求について裁判となった場合には、遺留分を請求した側が、上記の期間内に遺留分の請求をしたことを証拠上も立証することが必要になる場合があるためです。

このような落とし穴によって、せっかく請求できた遺留分が請求できなくなってしまうことを防ぐために、遺留分を請求するにあたっては、法律や裁判の専門家である弁護士に相談して進めるべきです

2 遺留分の対象となる財産の内容や評価によって請求できる遺留分の額が変わることがある

遺留分の額を計算する場合には、その算定の基礎となる財産の対象が何か、その財産の評価額はいくらなのかが問題になります

遺留分を請求する側が、相続財産の内容や、遺留分の対象となる生前の贈与の内容を十分に把握していなかった場合には、それらが請求の対象から漏れてしまうおそれがあります。

これらの事情を明らかにするための資料は何か、どのようにすればそれが入手できるのかは、これらの分野に長けた弁護士でないと十分な対応をすることが難しいといえます。

たとえば、相続税の申告書が入手できれば相続財産の内容はある程度明らかになるものの、それのみですべての必要な情報が手に入っているとまではいえません。

相続税の申告書類から相続財産や遺留分の対象となる財産の可能性を検討し、そこから預貯金の履歴を調査するなどの手法で、必要な資料をさらに取り寄せて調査をすることになります。

このように、入手できた資料をさらに検討して、新たに追加の資料を入手していくことで、遺留分を請求する側にとっては請求の範囲を増やせる可能性が生じます。

さらに、不動産などの「評価」が必要な財産が遺留分の対象となる財産に含まれている場合には、どのような評価方法を採るかによって請求できる遺留分の額が変わってきます。

たとえば、不動産には、固定資産税評価額や路線価額(相続税評価額)、時価評価額などの複数の評価額や評価方法があります。

これらの評価方法による評価額は、場合によっては大きな乖離がある場合がありますし、それぞれの評価額がいくらになるのかを検討したうえで、請求をする側としては評価額が高くなるように主張する必要があります。

他方で、請求される側としては、評価額が低くなるように主張する必要がありますので、どのような手法で評価することで支払わなければならない遺留分額が下げられるのかを工夫する必要があります。

それぞれが主張する評価額や評価方法が異なってしまった場合には、自らが主張している内容が妥当であることを主張する必要もあります。

これらの検討や主張は、不動産などの評価についての深い知識が必要になりますので、これらに精通している弁護士に相談することをおすすめします。

3 個別的な遺留分額の計算は複雑

遺留分額の計算方法は、以下のとおり、非常に複雑です

遺留分侵害額の計算は、遺留分の算定の基礎となる財産の額を計算し、そこから請求する者の遺留分の割合を掛けて、さらに請求する者の特別受益を引いて算定することになります。

請求することができる者の遺留分侵害額が決まった場合にも、請求相手が複数である場合には、それぞれの相手に対して、いくらの請求をすることになるのかを計算する必要があります。

遺留分の侵害額を請求する対象には順位があり、遺贈等によって取得した財産が侵害の対象として優先され、生前の贈与によって財産を取得した者への請求はその後に対象とされます。

同じく遺贈等によって取得した者が複数いる場合には、それぞれの請求先について認められている遺留分額を超える部分の額に応じて、請求が可能な遺留分侵害額を按分することになります。

これらの計算方法は非常に複雑なため、計算の間違いなどによって後日のトラブルを防ぐためにも、弁護士に相談されながら進めることをおすすめします

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