上場株式と非上場株式の名義変更手続き

株式には、大きく分けると２つの種類があり、それぞれ名義変更の手続きの方法が異なります。

⑴　上場株式

⑵　非上場株式

上場株式の名義変更をする際には、いったん相続人が上場株式を受け取ることが必要になります。

そのため、証券会社で、相続人名義の証券口座を開設する必要があります。

仮に株式を売却した上で売却代金を分けたいと思っても、亡くなった方の名義のまま売却することは原則として認められていないため、いったんは相続人の口座に株式を移さなければなりません。

上場株式の名義変更も相続の手続きである以上、株式を持っていた人が亡くなったことを証明しなければなりません。

また、一部の相続人の意見だけで名義変更をするわけにはいきませんので、相続人が誰なのかや、相続人全員が同意の上で手続きをしていることを証明する必要もあります。

そこで、亡くなった方の戸籍や、相続人の戸籍、相続人全員の印鑑証明書などが必要になります。

また、各証券会社が用意している相続手続の書類に、各相続人の署名と実印の押印が求められます。

非上場株式の場合、名義変更のルールは、その会社によって様々です。

そのため、まずはその会社に問い合わせをして、必要書類や必要な手続きの手順などを教えてもらう必要があります。

もっとも、亡くなった方の戸籍や、相続人の戸籍・印鑑証明書などは、相続の手続き全般において共通して必要となるものなので、必要になる書類は上場株式の名義変更の時とそれほど大きくは変わりません。

また、上場株式と異なり、非上場株式は株主と会社との関係が密接なので、「誰が株式を相続するのか」は、会社の経営と直結することが少なくありません。

そのため、誰が株式を相続するのかについては、慎重な検討が必要です。